2023 J3リーグ 第25節
FC大阪 3-1 松本山雅
「必ず勝てる戦略や戦術がある。」
そんな言葉を語る人に出会うことがあるなら、まずは疑ってみた方が良い。
一般的な勝者と敗者が決まるゼロサムゲームにおいては、納得のいく戦略を見つけることができないことがゲーム理論においても証明されている。
ミニマックス定理(ゲーム理論の基本概念)においても、ゼロサムゲームにおける最適戦略の存在を示しているものの、それは相手も最適にプレイすると仮定した場合のものであり、確実な勝利を保証するものではない。
勝者は変化の流れを読む
では、なぜプロサッカーにおいて王者のような存在が時折現れてくるのか?
それはサッカーにおける「最適戦略」が、瞬間瞬間の判断の連続性で構成されているからだ。
最適戦略は存在はするが、最適解は瞬間瞬間で変化し流れていく。
つまり、その変化の流れを読み誤れば負けるし、読みの精度が高ければ高いほど勝てる。
絶対的勝者は常にその”読み”を淡々と繰り返し先手(最適解)を打ち、最低でも引き分けに持ち込むための”保険”も仕掛ける。
彼らは過去の結果から予測するだけでなく、時にはまだ見ぬ未来の流れを読む必要もある。
「期待値の変化を読む」という表現がそれに近いのかもしれない。
常勝できる成長組織とは
もしも常勝する成長組織が意図的に作れるのだとするならば、それは「どんな変化にも柔軟に瞬間瞬間の最適解で対応できる組織」であることがゲーム理論からも示唆される。
Jリーグクラブにおいて、それはピッチ内だけでなく、ピッチ外のフロント組織においても同様だ。
では、どうすればそんな組織に成長していけるのか?
再現性の高い成長組織(成長し続ける王者)は幻想なのか?
その答えは、これから続く超競争環境の中で、プロサッカーという世界の流れも予測しながら、今の時代の最適解をピッチ外からもリアルタイムに見つけていきたいと思う。
そして、組織戦略の正解・不正解は今後もJリーグの結果に委ねていきたい。
クラブ史上最高順位へ到達
昨日も松本山雅との苦しいゲームを制し、J2昇格圏内へ1ポイント差と迫る4位へ。
その中でリアルタイムに見えてくる最適解にいつでも対応できる準備をしていきたい。
J3リーグも残り13試合。
何としてもJ2リーグへ…