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【スプリントLab】体幹とロコモーション
スクール事務局(office)

 

ロコモーションとは身体を移動させることです。歩く、走る、跳ぶ、転がる、泳ぐ、登るなどの運動があります。

スプリントLabではロコモーションの中でも特にスプリント(短い距離の速い走り)とジャンプに特化したトレーニングを主にやっています。

現在は走りに限らず様々なところで体幹の重要性が謳われていますが、体幹とロコモーションの関係性を見ていきたいと思います。

もともとはロコモーションの主役だった体幹

私たちの手足はさかのぼると魚のヒレがもとになってできています。そこからさらにさかのぼるとヒレすらない、つまり体幹のみで構成された生物になります。

そのような原始的な構造を持つ生物のロコモーションは体幹が主役になります。体幹部をうねらせて移動します。

しかしこの移動様式ではいろいろと不都合があるのです。

第一にエネルギーを大きく消費してしまうことが挙げられます。これは自分でやってみるとわかりますが体幹を大きく動かして移動するとすごく疲れることを体感できます。

次に体幹を大きく動かすと顔も動いてしまうということが挙げられます。口で直接食べ物を取りに行くのに顔が動いてしまうのはとても非効率的です。

ロコモーションの主役は中枢から末梢へ

時が進むと生物たちはエネルギー消費が激しい上に食べ物も取りにくい移動様式を改善させるようになりました。

これがヒレによる移動です。

完全なヒレのある魚は身体のより末梢(ヒレ)を使って泳ぐ姿を観察することができます。この時身体のより中枢部分はあまり動きません。それによってエネルギー消費を抑えつつ、食べ物も取りやすいようになりました。

この流れは今生きている私へ受け継がれ、足が主役かつ頭位(目線)の安定したヒトの歩行・走行に繋がっています。

チーターとシマウマ

体幹が運動によく参加する(しない)とどうなるのかをチーターとシマウマとの対比によってみていきます。

肉食動物であるチーターは腸が短いため、体幹部を大きく動かして走ります。対して草食動物であるシマウマは腸が長く体幹を大きく動かせないため脚を主体にして走ります。

ご存知の通りチーターは瞬間的に速く走れますが持久力には乏しく、シマウマはあまり速く走れませんが持久力に長けます。

つまり体幹が運動によく参加するとエネルギー効率が落ちて運動が長く継続できなくなるが出力ができ、体幹が運動にあまり参加しないと大きな出力はできないがエネルギー効率が良くなって運動が長く継続できるということです。

ヒトの意識は末梢へ

通常私たちは物を取るときは「手」で取るという意識をします。肩を挙げようなどとは意識しません。歩いたり走ったりするときも同じで、通常は股関節などの中枢側よりも末梢側の足で歩く意識が強いです。

これはごく自然なことですが、現代のような座っている時間が長くあまり体幹が使われないような生活でこの意識が強くなると体幹が運動に参加しなくなってきます。

体幹を使う

活動量の低下による体幹の運動への不参加を防ぐためには手足を使わずに体幹で転がったり這ったりといった運動をウォーミングアップなどで取り入れると効果的です。

近年体幹に注目が集まっていますが、筋肉・筋力に注目するのではなく体幹部で移動する感覚・体幹部で運動する感覚をつくり、体幹の認識を高めることが良いでしょう。