サッカーというスポーツはわりと低年齢で開始されることが多いスポーツです。
陸上だと高校や大学から始めて日本のトップクラスになる選手もいますが、サッカーでそのような選手は聞いたことがありません。
高校生以上で本気でサッカーに取り組んでいる人はおそらくほとんどが小学生の時から地域のサッカークラブに入っていたのではないでしょうか。
小さい頃からサッカーばかりやっていると、ひとつの問題が起きます。それは「運動多様性の低下」です。
サッカーではほとんどが「走る」「蹴る」という2つの運動でまかなわれてしまいます。
上半身をメインに使う運動はあまり行われません。
このためか、小さい頃からサッカーばかりやってきた中高生は胸板が薄く、腕力もあまり無いような子どもが多く見受けられます。
上半身が使われないがためにそのように適応したわけですが、だからそれでも高いレベルで戦えるというわけではありません。
やはり身体の幹の太い人の方が大きな力を発揮することができます。
走り高跳びの選手は細身の選手が多いですが、世界でもトップクラスの選手になると手脚は細くても胸板は暑く、身体の幹が太い人ばかりです。
サッカー選手でも強い選手で薄っぺらい身体の選手はあまりいないですね。
大きな力を発揮するという面以外でも、上半身を使う運動感覚があるのと無いのとでは、走る・跳ぶという運動の質が変わります。
特に胸や肩の運動感覚や認識が薄いと良い走りや跳びはできないことが多いです。
足を多く使うサッカー選手であっても、手で身体を支えたり、手で物を投げたりするような上半身のトレーニングはとくに子どもでは必要かと思います。