先週の投稿で、ボディイメージというものをご紹介しました。
私たちは自分の身体とその他の境目を認識しており、それのズレが運動を下手にしたり、痛みにつながったりするというものでした。
今回はサッカー選手に特徴的なボディイメージについてです。私がサッカー選手と関わってきた上で、サッカー選手に特徴的なことがいくつか見えてきました。
1. 足先ほどよく認識されている
これは当たり前といえば当たり前のことですが、サッカー選手に関してはこれに加え、股関節あたりの認識がものすごく薄い選手が多いです。
末梢ほど認識が強く中枢ほど認識が薄いというのは自然なことではありますが、サッカー選手に関してはとくにこの傾向が強い印象があります。
2. 上半身(特に上部体幹)の認識が薄い
ここで言っているのは骨でいうと肋骨、胸椎、肩甲骨のあたりのことです。
腹筋は鍛えている選手が多いのですが、それより上はあまり使わない選手が多いのか、上記のあたりの認識が薄い選手も多いです。
以上のことをまとめると、
・足先はよく認識されている
・下半身でみると、中枢側ほど認識が薄くなり、とくに股関節周辺の認識がかなり薄い
・体幹部では、下部より上部体幹の方が認識が薄い
となります。もちろん個人差はありますが、だいたい当てはまっていると思います。
股関節・上部体幹の認識をつくる
スプリントLabはロコモーション(移動運動)を専門としているので、その観点からいうと股関節や上部体幹といったところの認識はつくるべきであると考えています。
ロコモーションとは、すなわち重心を移動させることとなるわけですが、重心を大きく移動させるためには体幹部の移動が不可欠です。
腕や足の位置を変えるだけでも小さな重心の変位は起こりますが、大きな変位は起こりません。
逆に体幹部の位置を変えると大きく重心は変位します。
体幹部を移動させることがロコモーションという運動であり、手足はそのために使う道具なのです。
足の認識だけがあまりにも強く、体幹部がお留守になってしまうと、移動させるべきものの認識が薄いということなのでロコモーションが円滑に行えなくなってしまいます。
具体的には、認識の強い顔と足先だけ前に出て腰が引けてしまったり、下半身だけ先に進もうとして上半身が後傾してしまったり、という具合です。