こんにちは、サカモです。
今日、母校の早稲田大学ア式蹴球部は韓国の名門・高麗大学と定期戦を行っていました。
前半を少しだけ見ることができましたが、高麗の選手のガタイはすごかったです。前半終了時のスコアは1-1。早稲田が先制するものの、前半終了間際に追いつかれる展開。
高麗は早い時間帯に失点しても、気持ちがぶれずに『自分たちの形』に終始している印象を受けました。(最終的に、2-3で高麗大学が勝利したそうです)
そして、試合を観戦しているサッカー関係者らしき人たちの会話で面白い内容が。
Aさん「韓国の選手たちって面白いよね」
Bさん「なんでですか?」
Aさん「監督やコーチの指示に絶対返事するんだよね」
Bさん「そうなんすね…」
ざっくり再現するとこんな感じ。試合中の指示に全て「はい!(もちろんその国の言語ですが)」と答えるのは、選手の目線に立つと厳しい時もあります。特に、めまぐるしく展開の変わる試合では返事をしている間に、ボールや相手を見失うなんてことも、すこし大げさですが起こりかねません。ただ、韓国ではそれが『当たり前になっている』そうです。
誰かにとって当たり前のことが、誰かにとっては非常識だったり、違和感のあることなんてことは多々あります。
(ちなみに私の家では、お弁当のおにぎりは、海苔がしなしなになるのが嫌だという理由で、ご飯と海苔は別個に用意します。そして、食べる直前に海苔をまくスタイルです。笑
各家庭のちょっと変わった習慣も、他の家庭からしたら「え!?」って思うこともありますよね)
それは、どちらが優れているかと言う議論ではなく、単純にそれが当たり前の習慣となって身に付いているか、それに出会ったことがないか、出会ったばかりかの違いです。
日本人は、食事をするとき、当たり前のように箸を使います。みなさん、自分が箸を上手く使えるようになった瞬間を覚えていますか?
もしくは、ガラケーからタッチパネル式のスマホに機種変したとき、最初は使いづらいと思っていた操作をスイスイできるようになった瞬間を覚えていますか?
おそらく、“箸使えるようになった記念日”、”スマホスイスイ記念日”なんてものを明確に自分の中に位置づけている人はいないと思います。ただ、この二つを使えない状態から、いつのまにか使えるようになる(自分のモノにした)経験をした人は多くいます。なぜこのように、できなかったことが、できるようになったか。
単純な話、私はこれは時間をかけて、無心で取り組んだからだと思います。しかも、必要にかられる衝動や、どうしつも使わないと行けない状況を周りもしくは自分が強いたから。なんだ、そんなこと当たり前じゃないか、と思いますが、これがなかなか難しい。
スポーツに置き換えると、この“時間をかけて、無心で取り組む”がハードルになるのです。
なぜなら、スポーツの技術が長けていなくても、生活はできるし、学校にも通えるから。でも、人は上手くなりたいと必死に思い、練習し、うまくいかないと諦めてしまう。
諦める理由には、他の人との比較やそれ以外のさまざまな邪念も見え隠れします。
前にも書きましたが、この“できない”が“できる”になる瞬間がいつ来るのかわからなおもどかしかに耐えられず、折れてしまうのです。なりたい自分に出会ったばかりなのに、すぐにそうなれると勝手に思う、都合のいい自分が先行してしまうんではないかなと思います。
これを解消するには、スポーツがあることをいかに早く自分の中の“当たり前”にできるかだと思います。
歯を磨くように、箸を使うように、スマホをいじるように、「よし、サッカーしよう!」と家を飛び出るのではなく、「あ、歯磨きの前にリフティングだ」と、自然と思えるようにいかに自分の思考を“当たり前”にできるか。
最初は違和感のある行為だと思いますが、毎日毎日続けることで“当たり前”に一日でも早くもっていけるか、そのための工夫はひとそれぞれですが・・・やってないとうずうずする、体のリズムが整わない、スポーツとそんな関係になれたら理想なんだと思います。
なんだか結論がざっくりしましたが、今日はこのへんで。
最後にお届けするのは、ボールタッチすることが当たり前になっている人の動画。
ボールを見ないで華麗にステップを踏む動きに注目。「ボールを見ないなんて無理!」と思いますが、「無理」というロックを外してやってみると、それも“当たり前”にできるはず。
【 サカモ 】坂本 亮太(さかもと りょうた、1986年2月20日生)04年東京都立三鷹高学校卒業、08年早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科卒業。大学在学時は早稲田大学ア式蹴球部(サッカー部)に所属、主務と選手を兼任。大学卒業後08年4月より現役高校生を対象とした予備校に2年間勤務した後、10年より広告代理店に転職し、3年の勤務後、2013年7月より株式会社早稲田ユナイテッドに勤務。現在は、ワセダクラブサッカースクールでコーチ、早稲田ユナイテッドTOCでアシスタントコーチを務め、早稲田ユナイテッドトップチームで自身も現役としてプレー。日本サッカー協会公認C級コーチ、日本サッカー協会公認4級審判員。