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【書評連載】 『第3の教育』 第4回 ~21世紀を生き抜くための力~
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第3の教育  第3の教育

  

  著者: 炭谷俊樹

  出版社: PHP研究所 (2013/5/10)

  ページ数: 130 ページ

  フォーマット: Kindle版


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今回は『第3の教育』から学ぶシリーズ最終回。テーマは「21世紀を生き抜くための力」です。

著者が実践する探求型教育の21世紀における意義を本書の内容を参考にしつつ考えていきます。

 

学校で身につく力と実社会で求められる力とのギャップ

まず著者は「ブルームの思考レベル」を用いて、日本の教育がいかに知識中心であるかを述べています。「ブルームの思考レベル」とは、教育目標を決める際のフレームワークです。人間の思考能力を以下の6段階に分け、①から⑥に上がるにつれてより高い次元を表しています。

「ブルームの思考レベル」と教育

⑥ 判断(自分なりの判断を下す)

⑤ 統合(統合・創造する)

④ 分析(要因を分析する)

③ 応用(法則などを応用する)

② 理解(法則などを理解する)

① 知識(知識を覚える)

実社会で求められる力が①~⑥全部なのに対して、日本の学校教育は①~②に終始しており、従ってその差③~⑥の部分の不足が将来時間差で効いてくるということです。つまり、子どもの頃いかに③~⑥の部分を学校教育以外の場で補うかが鍵となります。著者は、社会で素晴らしい活躍をしている人たちに見られる子どもの頃の生活の共通点として、次のようなことを挙げています。

・自然とのふれあいが多い。

・興味をもったことにかなり徹底的に打ち込んでいる。特に、何かものづくりをしていたという人が多い。

・興味の対象に打ち込むことを、親が邪魔していない。

・学歴は関係ない。受験勉強のために自分の好きなことを犠牲にしていない。

こういった経験が「ブルームの思考レベル」③~⑥の「応用」「分析」「統合」「判断」の部分を自然と補っていったという推察でしょう。上記の内容は具体的なのでそっくりそのまま参考にできるのではないでしょうか。そして著者は、この③~⑥の力こそ、20世紀とは違い21世紀にはますます重要になってくると述べています。

 

20世紀と21世紀との違いは「情報量/時間/人」

ここでいったん、20世紀と21世紀の違いとは何か、考えてみる必要があります。(以下、本書の内容とは少し離れます)

よく聞かれるのが、20世紀はアメリカや欧州など目指すモデルがあってマニュアル通りやればよかったが、21世紀はそれを達成してしまった、あるいはモデルだったアメリカや欧州が下火になっていくので自分たちで考えて答えなき道を模索していかなければならないといった話です。

確かにその通りなのかもしれませんが、個人的には20世紀もマニュアルなんて安易なものはなく、答えなき道を模索していかなければならないことは共通していたと思います。ですので、一概に「20世紀=答えがあった」vs「21世紀=答えがない」と差別化するのはおかしいと思っています。

しかし、ただ一つ、客観的かつ明白に言える20世紀と21世紀の違いがあります。

それは「流通する情報量」です。

総務省発表の資料によると、平成13年における世の中に出回る情報量を100とした場合、平成20年度は186と、たった7年で約2倍に増えていることが分かります。その理由は明らかにインターネットというメディアの出現であり、他の電話、放送(テレビ)、郵便、印刷・出版といったメディアによる情報量が変わらない中、インターネットによる情報量だけが平成13年からの7年間で500倍以上に跳ね上がっています。

平成13年とは西暦に直すと2001年です。つまり、ちょうど21世紀のスタートの年です。20世紀は100以下だった流通情報量が、21世紀が始まった瞬間、指数関数的に増加しているわけです。

当然、発信される情報量の増加とともに、それを能動的に受け取る手段、媒体も発達します。(ネット、スマホなど)

つまり、以前に比べ、私たちが知識や情報を入手し、その意味を理解するのにかかる時間と手間が大幅に短縮されたのが21世紀ということです。20世紀と21世紀の最も大きく、かつ分かりやすい違いはこの点でしょう。

これを踏まえ、もう一度先の「ブルームの思考レベル」を見てください。コンピュータの手を借りることによつて、知識や情報を入手し、理解する時間と手間が省けた今、①~②(知識+理解)の勉強にウェイトを置き、③~⑥を軽視するのはどう考えても時代の変化に逆行します。知識やその意味を丸暗記して頭に詰め込む必要性は低くなったのですから。

むしろ、③~⑥(応用+分析+統合+判断)、つまり「人間にしかできない力」をより一層磨くことが21世紀を生き抜くために必要だということです。この点は十分に周知されるべき事実でしょう。

著者の実践する「探求型の教育」は、まさに情報洪水時代の21世紀に即した力「応用」「分析」「統合」「判断」を養うものといえます。

実は、本書『第3の教育』の初版は2000年12月1日です。(出版社;角川書店)にもかかわらず、2014年の今でも新鮮な教育観や方法が学べる一冊でした。(完)

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最後にひと言

21世紀になり、流通する情報の「量」が格段に増え、情報へアクセスする「手間」と「時間」が大幅に短縮された。

これからは、大量の情報に振り回され、飲まれるのではなく、必要な情報を集め、使いこなす力を身につけるべし。

 

※第1回 ~ポスト偏差値教育~  ※第2回 ~きっかけはデンマーク~  ※第3回 ~親の姿勢と影響~

評・WISE編集部

 

[youtube]http://youtu.be/VO1AYWYO2e8[/youtube]

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【連載】 『第3の教育』より ~21世紀を生き抜くための力~

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